vol.41 数字だけでは分からないこと "その2"
こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「数字だけでは分からないこと "その2"」です。
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前回、リビングダイニングは数字上同じ広さだったとしても
仕上げや間取りによって感じ方が大きく違ってくる
ということをお伝えしましたが、
断熱性能もまた、数字だけで判断しがたいものの1つです。
というのも、性能を表す数値は、
そこまで良くないものが実は体感的にはかなり良い場合もあるし、
逆に性能を表す数値は良いのに、
体感的には全然良くない場合もあるからです。
具体的には、発泡系(吹き付け)の断熱材が前者で、
グラスウールやロックウールが後者といったところでしょうか。
しかも、困ったことに
後者の断熱材は数値的が良いだけじゃなく、
コストも安いという特徴も持っています。
ゆえ、コストと性能の話だけを聞いただけで、
実際の住まいを体感していない人は、
「じゃあ、こっちでお願いします!」となってしまいやすいというわけですね。
とはいえ、
体感が驚くほど違うのを知っているし、
なにより現場で働く職人さんたちから聞く感想が違うので、
"数字よりも体感が大事"ということを何とか伝えたいと思っている所存です。
いざ、住みだすと夏の暑さの感じ方も違えば、
冷暖房の効きの良さや速さも違うし、
冷暖房効果の持続性も全く違いますからね。
また、多くの方が2階建ての家を建てますが、
これも快適性を損なう原因の1つなので、
建てることが出来るなら平屋にできないかを優先して考えといいかもしれません。
理由は、階段があることによって空気の流れが分断され、
上下階で温度差が生まれやすくなるからです。
つまり、移動するたびに温度差を感じることになり、
あまり家が快適じゃなくなってしまうというわけですね。
体感上良くない断熱材だとしたら
なおのこと、この不快さを感じることになりますし...。
そして、それを解決するために、
空気が全ての部屋を循環する空調システムを設置するようになり、
結局、数百万円ものコストが上乗せされることになります。
もちろん、断熱材の差額なんて全く比べ物になりません。
そんなわけで、できれば平屋を建て、
体感上良い断熱材を使うことはとてもオススメです。
平屋だと屋根から入ってくる熱が多くなる分、
使う断熱材によってさらに違いが出やすくなりますからね。
✔︎耐震等級3<平屋
そして、数字だけではなんとも判断しきれないものがもう1つ。
「耐震等級」です。
もちろん、確認申請が通る基準となる
耐震等級1よりも耐震等級3にした方が頑丈であることは
火を見るより明らかなことです。
ですが、ただそうしただけで良いのかというと、
決してそうではありません。
例えば、耐震等級3をとった家に囲まれていない土地に
ポツンと建つ2階建ての家と、
耐震等級3はとってないけどぐるりと家に囲まれた土地に建つ平屋では、
必ずしも前者の方が耐震性や耐久性が高いとは言い切れません。
ポツンと建つ家は、台風の時などの強風をまともに受けるのに対し、
周囲に家がある平屋は、強風をまともに受けないのに加え、
そもそも風を受ける面も2階建てよりも少ないからです。
平屋は上からの荷重も少なく足腰もしっかりしていますしね。
そんなこんなで、耐震的な理由からも
平屋はとてもオススメです。
ということで、断熱にせよ耐震にせよ、
数字で表すことが当たり前になっていて
それももちろん大事なことですが、
「それだけでもないんだよ」ってことも
知っておいていただければと思います。
それでは、また次回。