vol.86 家づくりの一丁目一番地
こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家づくりの一丁目一番地」です。
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家づくりの資金計画では、
土地取得費+建築費+外構費+別途経費=自己資金+借入金、
この計算式の左右のバランスを整えていくわけですが、
左から計算を進めていくのと右から計算を進めていくのでは、
家づくりの進め方や建てた後の暮らしに違いが生じます。
結論から申し上げると、
左から計算を進めていけば
土地にせよ家にせよ理想に近い状況を実現しやすい反面
資金面に皺寄せが来やすいのに対し、
右から計算を進めていけば
資金面を優先することになるため、
土地にせよ家にせよ
厳しい現実を目の当たりにしやすくなるというわけですね。
もちろんこれは自己資金や所得、
土地のあるなしによって異なるため、
一概には言えないのですが、
ほとんど自己資金を入れない状態で
土地から買って家を建てる方には
「家づくりで最も大事なことだ」
と言っても過言ではないと思うので、
どうぞ最後までお付き合いいただければと思います。
では、分かりやすく
リアルに具体的な数字を挙げながら
その違いを説明していきますね。
✔️左から計算を進めていった場合
例えば、住みたいエリアの
土地相場が1000万円だとして、
建てたい家の大きさが40坪ぐらいだとしたら
家の総額は3000万円ぐらいになるのですが、
これに外構費用として200万円、
地盤改良費として100万円、
それ以外に必要な経費として200万円、
が別途でかかるとしたら
家づくりの総予算は4500万円となります。
そして出せる自己資金が300万円だとしたら
4200万円を銀行から借りることになるのですが、
これをボーナス払いなしで借りる場合、
0.7%の固定金利選択型の場合なら
毎月の返済額が112,778円で、
1.4%の固定金利型の場合なら
毎月の返済額が126,550円となります。
つまり、これから35年という長期間
どんなことがあってもこの金額を
銀行に返し続けないといけないというわけなのですが、
果たしてこれは現実的な話なのでしょうか。
仮に夫の収入が400万円だとしたら
手取りの半分がローン返済で飛んでいくことになるし、
500万円あったとしても
手取りの40%以上がローン返済で飛んでいくことになるし、
600万円もあったとしても
手取りの33%ぐらいがローン返済で飛んでいくことに
なりますからね。
問答無用で奥さんは
働き続けないといけないですよね。
おそらく今後は、
所得が上がるどころか下がる可能性の方が高いし、
倒産やクビになるリスクもゼロではないし、
それ以外にも健康的リスクもあれば、
親の介護問題なども可能性としては
全くないわけではありませんからね。
そんなわけで
左から進めていくやり方ではなく、
資金面を大切にする右から進めていくやり方を
オススメしています。
✔️右から計算を進めていった場合
右から進めていった場合、
先程お伝えした300万円の自己資金に
無理のない返済額から
逆算した借入金を合わせた額で、
家づくりの計画を立てていきます。
仮に毎月の返済額を
8.5万円までに抑えたくて、
かつ固定金利にしたいのであれば、
借入額は2900万円が上限となるので、
合計3200万円で土地・家・外構の
予算振り分けを行なっていくという感じですね。
となれば、
別途経費と地盤改良を合わせた
300万円は同じようにかかるので、
残りの2900万円で
予算の振り分けを行うのですが、
この場合弊社であれば、
外構工事は「土地の坪数×1万円」で計算するので
土地面積を50坪にするなら50万円にし、
残りの2850万円でどんな家を建て、どこで土地を買うか
を相談していくという流れをとっています。
具体的には、仮に家の予算を2300万円にするなら、
土地予算が550万円となりますが、
この場合2300万円という予算をなるだけ超えないように
間取りのヒアリングをさせていただくし、
550万円という予算の中でまずは土地を探すようにしている
といった感じでしょうか。
もちろん、土地予算も建築予算も
ずいぶんと厳しいものになるので、
やりたいことを厳選していただくことになる可能性は
高くなってしまうかもれません。
いや、おそらくそうなるでしょう。
しかし、今後35年もの間ずっと
毎月の可処分所得が3〜4万円も違うとなれば、
かなり違ってくるのではないでしょうか。
この違いをご理解いただき、
暮らしの豊かさと経済的な豊かさのバランスが取れた
家づくりをしていただけたらと思います。
それでは、また次回。